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大腸発生水素による酸化ストレス軽減と生活習慣病予防の可能性

2007年にOsawaらは、脳虚血-再灌流(IR)処置によって酸化ストレスを与えたラットにH2ガスを吸入させることによって、生成されたヒドロキシラジカルが特異的に捕捉され、酸化障害が軽減されることを見出した。この研究は、生体内でH2が還元性を示すことを初めて明らかにしたものであり、その後も、さまざまな酸化ストレスに対しH2分子が抗酸化作用を示すことが報告されている。一方、食物繊維をはじめとする難消化性糖質は、大腸内発酵によるH2生成を促し、そのH2は呼気および放屁に排泄されることが知られている。我々は、このH2も同じように生体内で抗酸化作用を発揮する可能性をひらめいた。大腸内発酵を利用してH2を生体内に供給できれば、安定的かつ持続的に生体内還元性を維持できると期待される。生体内における不必要な酸化反応を防御することで、酸化障害を発端とする生活習慣病の発症や進展を抑えることが可能であろう。

糖尿病、虚血性疾患、動脈硬化症、アルツハイマー病などのような生活習慣病の多くは、酸化ストレスの増大に伴った障害によって発症および進展が誘導される。また、肥満も生体内酸化ストレスを増大させ、生活習慣病発症の引き金となっている。大腸で生成したH2でこれらの酸化ストレスを軽減できれば、さまざまな生活習慣病予防につながることが期待される。そのためには生体内のさまざまな組織に安定的に持続してH2を供給することが重要であるといえよう。

生体内へのH2の直接的な供給方法として、H2ガスの吸入やH2水の飲水がある。実験動物やヒトを対象とした研究もなされており、それらがH2供給法として有効であることは間違いない。しかし、日常生活における持続的な供給という観点に立てば、決してこれらの方法が有効とはいえない。H2ガスの吸入は病院などで大掛かりな設備が必要であるし、吸入をやめればH2が供給されなくなる。また、H2水であれば、投与直後のH2供給量は多いが、飲める量に限界もある。H2の水への溶解度はとても低い(0.8mmol/L)ため、生体内に高濃度のH2を長時間にわたって供給し続けることは困難である。さらに、摂取後にH2血中濃度がピークを迎え、元に戻るまでの時間も30分程度しかない。この点において、大腸内発酵によるH2の供給は合理的である。大腸に発酵基質を十分量存在すれば、たとえ睡眠時に食事を摂っていなくとも生体内に24時間H2を供給できるはずである。

 

○URL: http://www.kenko-media.com/food_devlp/month_201301.html

名寄市立大学 保健福祉学部栄養学科・教授 西村 直道

食品と開発, 48(1), pp.18-20, 2013-01, UBMメディア

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